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2007年03月20日

ラプソディ・イン・ブルー ガーシュウィン作曲+編曲グロフェ

のだめアニメ第10話は、千秋の弾く ラフマニノフ 「ピアノ協奏曲第2番」 の練習と、のだめマングース+Sオケの 「ラプソディ・イン・ブルー」 の本番。
のだめカンタービレオリジナルピアニカアレンジ版 ラプソディ・イン・ブルーです。
ラフマニノフでは、ミルヒーのくねくねダンスも ドラマより濃厚に見られます。 キモイ・・・(爆)。
ドラマのエンディングテーマでもあったし、もっと人気出ても良かったと思うんだけども、ベト7や ラフマニノフに比べると 今一つだった感じのガーシュウィン。
今さらだけど、宣伝してあげよう!

ラプソディ・イン・ブルー 1924年作曲・初演
ジョージ・ガーシュウィン (1898.9.26 ニューヨーク − 1937.7.11 ハリウッド) アメリカ
(本名はヤーコプくんだけど、家族さえそう呼ばなかったんだとか)

ラプソディ・イン・ブルーは、1924.2.12 ニューヨークのエオリアンホールで、ポール・ホワイトマン主催の 「現代音楽の実験」 と題されたコンサートで発表する新作として作曲されました。
ガーシュウィンのピアノ+ホワイトマンバンドで演奏するために、ジャズ風のピアノ協奏曲を書くよう依頼されたってわけ。
「アメリカ音楽とは何か?」 というテーマで、ポピュラーやジャズと クラシック音楽が、お互いどんな影響を与え合っているか考察するような 実験的なコンサート。
24曲も演目があったため、お客さんは疲労困憊、超ダレダレ状態、嫌気さしてるところ、23曲目にこれが登場。 冒頭のクラリネットのメロディーからして一発ノックアウト、眠気なんぞ吹き飛ばし、拍手大喝采の大成功を収めたそうです。
ちなみに、このコンサートの最終曲は、クラシックの領域から と題して、エルガー(イギリス人)の 「威風堂々」 だったので、目玉の新作としては トリを飾るとっておき曲。
ポピュラーソングの分野では、すでに大ヒットを飛ばしてたガーシュインですが、器楽の分野では これが出世作みたいな感じになります。

このコンサートの審査員として、ラフマニノフが招かれてたりします。
おーおー、つながってますねー。
千秋が弾く ピアノ協奏曲の作曲者、ラフマニノフさんですよー。 こちら、ロシアからアメリカへの亡命組。ロシアの貴族の出です。
ついでに ガーシュウィンもロシア系。 父母の代で それぞれロシアからアメリカに移住してきた ユダヤ人の家系です。
あと、名バイオリニスト ヤッシャ・ハイフェッツも審査員だったとのことで、大物審査員に、人気作曲家たちの新作もいろいろ発表されるとあって、話題沸騰大入り満員。 ストコフスキー、クライスラー、スーザなんかも初演に訪れたそうです。

のだめたちは ピアニカ何台かを主役にして演奏しましたが、現在 ラプソディ・イン・ブルー は、ピアノと2管編成オーケストラによる ピアノ協奏曲みたいな形で演奏されるのが主流です。
もっともこれは ガーシュインの死後に グロフェが再アレンジしたものなので、作曲者本人は知らぬところ。(1942年編曲版)
本来は、もっと小編成のバンドとピアノで演奏することを想定して作曲されたものです。
発表当時の原曲は、「ジャズバンドとピアノのための ラプソディー・イン・ブルー」
私が持ってる ワーナーブロス社のピアノソロ版の楽譜にも 「ラプソディ・イン・ブルー」 のガーシュウィン直筆譜が載ってまして、J.B. と P. のくくりで楽譜が書かれています。 ジャズバンドと ピアノの略ですね。
(ホワイトマン楽団は、ジャズバンドというより、実際は ジャズのプレーヤーも混じったダンスオーケストラと とらえる人も多いようで、ジャズも出始めの時期というか、今イメージしがちなジャズとは ちと違うような感じなんだそうです。 スイングジャズが流行するよりも、もっと前の時代になります。)

ラプソディ・イン・ブルーはもともと アレンジ前段階の ピアノソロパート + オケというかバンド部分のピアノ下書き譜 = の2台ピアノの楽譜を作成するところまでが ガーシュウィンのお仕事。
オーケストラ編曲は、ホワイトマン楽団のアレンジャーだったグロフェが担当しています。
学校の音楽鑑賞の時間に、「グランドキャニオン(大渓谷)」 を聴かされました?
あのグロフェさんです。 私は 他の曲知らないんだけどさー(笑)。
ファーデ・グロフェ(本名は、フェルディナンド・ルドルフ・グロフェなんだとか・・・)
編曲は 一応ガーシュウィンと相談しながら進められたようですが、二人には ちと温度差があったようで、グロフェは ガーシュウィンの指示を勝手に変えてしまったりいろいろ。
当時のガーシュウィンは まだ音楽的専門的知識をほとんど持ってなかった とグロフェは語り、ガーシュウィンはグロフェの編曲をあまり高く評価できず手を入れなければならなかった と語り・・・ それぞれ意見が食い違っているようですが(笑)。
まぁ、ガーシュウィンに まだまだ未熟な部分があったのは確かなようで。
ガーシュウィンさんは、友達の家のピアノで遊んでて弾けるようになっちゃってたようなところがあって (すごいよね!)、自宅にピアノがきて クラシックっぽいレッスンも受け始めたのは14歳。
翌年にはもう 楽譜出版社でデモ演奏みたいな仕事に就いてまして、独学出発の天才ですね。
実践で力をつけていったすごい人。
のだめたち型破りの天才に演奏させようって この選曲は、なかなかおもしろかったんじゃないかな?

ラプソディ・イン・ブルーの翌年には、名誉挽回、自分でオーケストレーションもやって 「ヘ長の協奏曲」を発表するなど、がんばっちゃってまーす。
クラシックの作曲家さんたちも ガーシュウィンに注目してた人は多くて、このピアノ協奏曲のパリ初演(1928年)には、プロコフィエフ、ラヴェル、ストラヴィンスキー、プーランク、ミヨーなど パリで活躍中の作曲家さんたちも続々と来訪。
プロコ様は、「真面目な作品を生み出せるように、軽薄な生活を離れるべきだ」 と忠告したとかなんとか。 ・・・あーぁ、えらそうに(笑)。
そりゃぁ、あんたは規則正しすぎて うざいくらいの性格だろーけどっ(爆)。
ガーシュインさん、もと不良少年、常に複数の美女たちにとりまかれ 享楽的な生活にどっぷり浸り・・・ なわりに、音楽に対する研究熱心さはすごかったようで、勉強したい!って思いでいっぱい。
レビューやミュージカルなどの分野で活躍しながらも、クラシック的な楽曲を作ることに 執着してた感じが。
クラシックの作曲家たちに指導を受けたい! と望むガーシュウィンに対して、相手は友人感覚。
ラヴェルにレッスンを頼んだ時も、「一流のガーシュウィンは、二流のラヴェルになる必要がない」 と断られたという 粋な話が伝わっています。 せっかくの個性を殺すこたぁないもんね。
ラヴェル53歳のお誕生日会の写真に 29歳のガーシュウィンも一緒に納まってたりして、ちょっと うふふ♪ です。
(ラヴェルは、管弦楽の魔術師 の異名をとるほどの、オーケストレーションの大家)
ガーシュウィンを高く評価していたストラヴィンスキーにも 断られたらしい。
のだめがコンクールで弾くことになる、ペトルーシュカの作曲者ストラヴィンスキーと、スカルボ(夜のガスパールの3曲目)の作曲者ラヴェルさん。

このピアノ協奏曲や、自分がパリを訪れた時の印象を音楽にした 「パリのアメリカ人」 あたりが、「ラプソディ・イン・ブルー」 とカップリングされてCDになってることが多いかな。
「へ長の協奏曲」 もそれなりに魅力的な曲ではありますが、どっちかだったら 「パリのアメリカ人」 のがドルチェ的にはおすすめ。
ピアノ+オケのものが良ければ、「アイ・ゴット・リズム変奏曲」 はいかがでしょうか?
CMにも使われたりするポピュラーソング 「アイ・ガット・リズム」 なので、聴いたことあるメロディーが展開されて楽しいかもよ?

ポピュラーとクラシック、両方足突っ込んでるような びみょーな位置にいるガーシュインですが、クラシックの音楽史で登場するギリギリの線って感じです。
これ以上ポピュラー、ジャズよりになると、クラシックの音大の授業では 登場してこなくなっちゃいます。
ガーシュウィンについても、さらっとしか授業でやらないわりに、他のクラシック作曲家さんとの絡みで登場してきたりして、なかなかおもしろいお方です。
ガーシュウィンさんは 絵の才能もあって、オーストリアの作曲家シェーンベルクを描いてるところの写真をよく見かけます。
シェーンベルクは ナチスに追われて渡米してきたユダヤ人。こちらも 画家のカンジンスキーがびっくりしたほどの絵の腕前。 ガーシュインより20歳以上も年上のシェーンベルクでしたが、テニス仲間でもあり、交流を深めていたようです。
ユダヤ人といえば、メンデルスゾーンの絵画もプロ級。
どーして みなさん、そんなにたくさんの才能を持ってるんでしょうね?
一つくらい分けてくださぁい!!

さて、次回 のだめカンタービレ第11話は、湯煙り温泉卓球事件 とな。
その前に、千秋くんが弾くラフマニノフの本番シーンがあると期待しましょう。
ラフマニノフの予習は、ラフマニノフの自作自演を試聴 (のだめ曲)  ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番 村主選手フリー曲 の記事でどうぞ。


ガーシュイン ラプソディ・イン・ブルー のダウンロード & 試聴♪ 
Andre PrevinAndre Previn『Gershwin: Rhapsody In Blue』

アンドレ・プレヴィンの弾き振りです。


ガーシュウィン本人が弾く ラプソディー・イン・ブルー(ピアノソロ版) の試聴♪ ピアノソロ譜については、のだめ登場曲をピアノソロで の記事へ。


ガーシュウィン ラプソディ・イン・ブルー おすすめCD & 楽譜

   

左から:
*「ラプソディ イン ブルー」 「パリのアメリカ人」 「ピアノ協奏曲」 プレヴィン弾き振り。
*ガーシュウィンの有名曲がいっぱいでお得。 ラプソ・・・は、バーンスタインの弾き振り。
*ガーシュウィン本人が残したピアノ・ロール演奏に、ティルソン・トーマスがジャズ・バンドと合わせたおもしろい試み。
*ピアノソロ譜。 「ラプソディインブルー」 「3つの前奏曲」 「パリのアメリカ人」 収録。

参考文献: ラプソディ・イン・ブルー-ガーシュインとジャズ精神の行方 (セリ・オーブ)


posted by ドルチェせんせ at 02:16| Comment(8) | TrackBack(2) | のだめカンタービレ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
11話では、ちゃんとラフマニノフやるそうデス!

その前に、フジテレビでごらんの方(orビデオ録画の方)は、放送時間が変更になるので要注意デスネ!

http://www.nodame-anime.com/cgi-bin/index.cgi
Posted by tn at 2007年03月20日 11:09
tnさん
ですよね〜。あれの演奏会シーンやらなかったら、ファンが暴れるに違いない!?
また、放映時間変更なんだ。情報をさんきゅ。
フジテレビ地区のみなさま、放映時間のチェックをお忘れなく〜。
うちは、時間変更に対応して予約録画するようにしてあるから大丈夫でーす。
Posted by ドルチェ at 2007年03月22日 01:09
ガーシュウィンが14歳から本格的にレッスンを始めてるとは・・・
天才っているんですよねー。普通に考えればスタート遅すぎなのに。

湯煙り温泉卓球事件???
そんなシーン、あったっけ?と、全部読んだはずなのにすでに忘れてる(^_^;)
いやいや、それより千秋のくねくねラフマに期待です!
Posted by Haruka at 2007年03月22日 14:20
Harukaさん
見よう見まねで弾けるようになっちゃうだけだってすごいのに、初見でバリバリ楽譜まで読めるようになっちゃうって、ほんとすごすぎデス。
天才だから早死にしちゃったのかな。
湯煙り温泉卓球事件? 何?新しいエピソード?とわくわくしてたら、単に演奏会終了後にミルヒーに連れ回されたことだったみたい。ドラマでもやってた。
だったら予告は、ラフマニノフの・・・って言ってくれた方が視聴者の期待が高まったんじゃ?と思っちゃった。
Posted by ドルチェ at 2007年03月24日 03:09
ドルチェさん、こんばんは!

「ラプソディ・イン・ブルー」は、クラシックにハマる前から リチャード・クレイダーマン様のCDでよく聴いていました! カッコいい曲ですよネ、クレイダーマン様もカッコよかった!(今もお元気でしょうか…)

グローフェさんというと、「マルディ・グラ(ミシシッピ組曲ね)」も有名ですかね♪ 去年だったかな、西岡徳馬が 「サンタ・モニカでキミ(秋本奈緒美)に会えるとは思わなかったよ…」 と言っているCMで使われていましたっけ。。
Posted by sumito96 at 2007年03月24日 21:50
sumito96さん
えっ、リチャード・クレイダーマンも弾いていたのですか!
全然知らなかったです。おもしろい情報をありがとお。
さすが〜sumito96さん、守備範囲がほんとに広すぎ。
グロフェさんのミシシッピ、本とかによく載ってるんで 題名だけは見てるんですが、一度も聴いたことがありません。たぶん。
西岡徳馬と秋本奈緒美が出てたCMじたいも思い出せないです、あぁ。
アマゾンで探して試聴でもしてみよっかな。
Posted by ドルチェ at 2007年03月26日 00:54
いつもお世話になっています。
え〜最近ではこちら様に足を向けて寝るわけにはゆかず、どうも寝相が悪くなり首を痛める毎日であります。
TBいたしましたが、たどって来られると「こちらの記事を参照のこと」という堂々巡りになっていまので、どうかMP3だけをお楽しみください。
Posted by PINK MOZART at 2007年11月09日 21:17
PINK MOZARTさん
こちらこそ、いつも大変お世話になっています。
のだめ放映時、ベト7やラフマニノフ、モーの2台ピアノとかは、ずいぶん注目されてたようなのに、ガーシュウィンは全然でかわいそうだったのです。
クラシックバリバリより、一般受け良いかと期待してたのに、どちて? 魅力的なのにね。
「アイ・ガット・リズム」で光をあててもらって、ガーシュウィンさんも頭を輝やかせて!?喜んでらっしゃることでしょう。
2人でグルグルしながら、読者さまを巻き込んで増やしていけるよう、がんばりましょう。
これからも、よろちくね♪

みなさま、PINK MOZARTバージョン「「アイ・ゴット・リズム」すっごいイケてます。
カップめん調理待ち時間のお供としても活用できるそです。
楽しんできてね!
Posted by ドルチェ at 2007年11月11日 23:41
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