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2005年12月21日

SK−2のCM曲は、ごますりの音楽

桃井かおりさんが出てる SK−U リンクルアクティブのCMで、シンプルでかわいらしい雰囲気のピアノ曲が流れてるの、思い出せます?
(レ ファ♯ ラ レ・・・ って感じに アルペジオで動く曲です。)
化粧品のCMで、桃井さんのアップに 耳元でささやく青年ってのが、最後の映像だったかな?

これは、
 モーツアルト作曲 「デュポールのメヌエットの主題による9つの変奏曲」 です。
 ニ長調 K.573 (調性 と ケッヘル の話は、音楽用語な話 のカテゴリ を見てね)
その、第3変奏の部分が CMでは使われています。
たしかに、3番目の変奏が 一番 かわゆいかもぉ。

曲の題名に出てくる デュポール ってのは 人の名前です。
 ジャン・ピエール・デュポール (1741-1818)パリ生まれ プロイセンの宮廷楽長
 宮廷楽長ってのは、王様お抱えのオーケストラで 一番偉い人のこと。

簡単にお話すると、デュポールさんが作ったメロディーを、モーツァルトが いろんなパターンに変身させて 新しい曲にしたってことです。

モーツァルト33歳、死の2年前のことです。
1789年4月末、宮廷に就職したいと思ってたモーツァルトは、ポツダム宮殿に赴き、プロイセン王 フリードリヒ・ヴィルヘルム2世に 謁見を願い出ます。
そこで、この地の宮廷楽長で チェロの名手でもあった デュポールの気を引くために、デュポール作曲の「チェロとバスのためのソナタ 作品4の6」の メヌエットを主題(テーマ)にして、変奏曲を 即興演奏したと伝えられています。

当時、敬意を表したり、親しみをこめたりして、相手の曲のメロディーをテーマに 変奏するってのは、よくある話。
ましてや、それが就職希望先だったら、まず現場のボスにごまするのは、当然の賢い方法だと思いますけれどもね。
よっ、この世渡り上手!! ってとこですか。

中には、バカにしくさって、相手のくだらない曲をネタに すんばらしい即興演奏をして 顔つぶしちゃうとか、楽譜をくるっと逆さまにして弾いたメロディーで、これまた素晴らしい即興をしちゃって、ざまみろ!ってのもありますが。(こーゆーのは、ベートーヴェンの得意技でもあったり・・・)

で、この時のポツダム宮殿での即興演奏を、後に出版したのが この「デュポールのヴァリエーション」です。
モーツァルト自作品目録では、この曲 「主題と6つの変奏曲」 となってるので、初版の際に、あと3つの変奏を付加したのだろうと考えられています。 (自筆譜は紛失)

結局、王様から 作曲の依頼はされたものの、宮廷への就職はかなわなかったようで、その後、モーツアルト家の経済状態は さらに悪化の一途をたどり・・・
貧乏なまま死を迎え、5人1穴とかの 共同墓穴に埋葬されちゃうのです。


モーツァルト デュポールの主題による変奏曲 CD 楽譜

ソナタアルバムをしばらくやった程度で、音は並べられると思います。 古典は譜読みがしやすいので、パッと見 レベルが高く感じても、どんどん挑戦してみてください。 簡単な 第○変奏だけ弾いて満足 でもいいじゃない? 少しずつ弾ける部分を増やしていきましょう。 CMの第3変奏は、弾きやすい部類に入ります。



左から:
*モーツァルト時代のピアノ(フォルテピアノ)の コピー楽器による演奏。 現代のピアノとの響きの違いを聴いてみてください。 「きらきら星変奏曲」や、あの サリエリのオペラ を主題に使った 変奏曲も入ってます。
*全音ピアノピースで出てる、有名曲がいっぱい。「デュポール」は、ヘブラーのピアノで聴けます。
*通称 井口版。独学の方などは、こういう解釈版を使った方が らくだと思います。 「デュポール」の他、「きらきら星変奏曲」「幻想曲」など、有名な小品が集まってます。
*ウィーン原典版。 ある程度わかる人は、原典版での研究を おすすめします。


posted by ドルチェせんせ at 23:50| Comment(2) | TrackBack(0) | あの曲は何? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
お久しぶりです。かなりblog、成長されていますね。

モーツァルトも好きですが、即興というところで反応しちゃいました。
クラシックというと忠実に再現するというイメージが
ありますが、さすがに楽器の名手でもある人ばかりでしょうから、そのテクニックもすごいんでしょうね。
(楽器だけでなく、メロディの作り方などなど)

そんな風に聞いてみるの面白いかもしれませんね。

Posted by lonnie at 2005年12月22日 19:48
パソコン関連はわかんないことだらけで、苦しみまくってますけど、何とか踏ん張っておりますよー。

モーツアルトも、バッハもベートーヴェンも、即興演奏の達人としての武勇伝を残してます。
リストなんて、楽譜の通りに弾いたことなかったって話。
昔は、ピアニストの技量は即興で決まるってな感じで、お題を決めて即興試合とかよくやってたみたいなんですけどね。 変奏曲にして即興することも多かったみたいです。

モーツァルトは、メロディーの飾りつけなんか学ぶのにいい感じ。 バッハやベートーヴェン、もっと新しい時代の変奏曲なんかも聞いてみると、即興の良いヒントにもなるかもしれません。
みなさん、さまざまな作曲技法を駆使していて、こんな風に変化させられるものなのっ! と、うなっちゃいます。聞いてるだけで、疲れてたり。
Posted by ドルチェ at 2005年12月24日 07:11
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